お迎え記事 - irfa編
“…愚かな提案があるのだがどうだろう?この花と共に生きなさい。
此花は君の眷属であり、僕の想いの結晶でもあるのだから。
僕たちが繋がるこの物語は、最後にどんな地平線に辿り着くのか。
それは、僕にとって最大の浪漫なのだ……”
@ 2006.12.28
~ある男の想い~
ある少女は帰りようがなく、自分の居場所から離れた。
故郷から。見慣れた物事から。大切な人々から。
そんなことを成したと痛んだ男は、ずっとこう願っていた。
“嗚呼。貴方は寂しい。この僕であるのならば、一体何ができるのだろうか?”
~変化~
僕の前に現れてから一年。ある日少女は語った。
“こう見えてもあたしね、不完全だもの。”
それから数日。僕はようやく気付いた。彼女の変化を。
彼女の右目の色は変わった。
僕はその変化の原因を訊ねた。そして彼女は答えた。
“言ったでしょ?今のあたしは不完全って。
これは完全に至るきざし、あたしがあたしの半身に会うための導きよ。”
その時僕はさっぱりわからなかった。
完全とはなにか、半身は誰のことか。全く知る術もなく。
あの冬の日まで。
~もう一人の少女~
その日は少女の二つのお祝い。
いつものように寒くも暖かい一日だった。違うものはひとつだけ。
彼女は月の下の花畑で踊り続いてた。彼女は、いつもよりずっと美しかった。
“刻
(とき)
は満ちたわ。見てなさい、我が主。”
“そう。あたしの半身が。彼女が来るわ。”
一輪の花が咲いた。それは月下美人という、夜にしか咲かない純白の花。
そして僕の目に映ったのは、もう一人の少女の影。
“…久しぶりだね、姉さん。”
“…久しぶり。あたしの、愛らしい妹。”
抱きしめた二人。半身とは、そういう意味だった。
彼女たちはもともと双子だが、一人だけ僕のそばまで流された。
半身を失った故、不完全となってしまった。
“ねぇ、そこのおとこ。”妹は僕の方に向かった。
“ようやく見つけたから、もう離れたくないの。だから”
“認めようかしら、我が主として。よろしくね、とうさん”
嗚呼。これは願いが叶ったということか。
全てを失ってから再び一番大切な人に会えるとは、どんなに幸せなことだろう。
僕は必ず見守ってあげる。それこそが僕の最大の救いだから。
僕たちが繋がるこの物語は、一体どんな地平線に辿り着くのか。
それは、僕にとって最大の浪漫なのだ。
瀧手記 抜粋
“…這個愚昧的提案你認為怎樣?請與這花朵一同生活吧。
因為這花朵既是你的眷屬,也是我的意念的結晶。
我們所連繫著的物語,最終會到達怎樣的地平線呢。
那對我來說是我最大的浪漫……”
@ 2006.12.28
~一個男人的思念~
有一少女在沒法回去的情況下,離開了自己的所在地。
從故郷。從習慣了的事物。從重要的人們那裡。
因成就了這樣的事而感到痛心的男人,一直這樣祈求著。
“呀呀。妳真是寂寞。若是我的話,又能替妳作甚麼呢?”
~變化~
從出現在我面前至今已一年。有一天少女說道。
“即使看起來是這個樣子,我還是不完全的啊。”
其後數日。我終於察覺到。察覺到她的變化。
她的右眼的顏色改變了。
我向她尋問變化的原因。然後她回答。
“說過了吧?現在的我並不完全。
這是達致完全的徵兆、為了我與我的半身相遇的印記啊。”
那時我完全不明白。
完全究竟是甚麼、半身指的又是誰。我沒有辦法知道。
直到那冬天的日子。
~另一人的少女~
那天是慶祝少女的來到這裡第二年的日子。
如平常一樣是寒冷卻溫暖的一日。不同的只有一點。
她在月下的花叢之中跚跚舞蹈著。她比平常更顯得美麗。
“時刻已到了啊。請看吧,我的主人。”
“對啊。我的半身。她要來了。”
一株花朵綻放了。那是稱為曇花的,只在夜裡綻開的純白花朵。
然後映在我眼中的,還有一少女的身影。
“…很久不見呢,姐姐。”
“…很久沒見。我的可愛的妹妹。”
擁抱在一起的二人。所謂半身,原來是這個意思。
她們原本是一對雙生兒,卻只有一人被送到我的身邊來。
因為沒了半身,就使得不完全。
“喂,那邊的男人。”妹妹看向我這邊來。
“難得找到了、我不想再分開啊。所以”
“我就承認你是我的主人吧。請多拍教,父親”
呀呀。這就是所謂願望成真嗎。
失去了一切而再會最重要的人、究竟有多幸福呢。
我會守護著。因為那是對我最大的拯救啊。
我們所連繫著的物語,將會到達怎樣的地平線呢。
那對我來說是我最大的浪漫啊。
瀧手記 摘錄